イギリスのカスタマーサポートの失敗から学べる技術と研修の重要さ

イギリスの企業はコールセンターのスタッフの教育に注力しなくなったため、スタッフが仕事で強い不安やストレスを感じています。

現在、イギリス全国で、76.6万人がコールセンター・コンタクトセンターで働いていると言われています。

しかし、8×8社の調査によると、カスタマサポートの電話をうける業務を専任ではなく、兼務で行っている人が460万人以上もいることがわかりました。

カスタマーサポートを専任で行う場合、スタッフは事前に専門教育やトレーニングを受けることが一般的ですが、兼務でカスタマーサポートの仕事をしている人たちの多くは専門教育やトレーニングを受けていないことが問題視されています。

またコンタクトセンターで一般的に使われている専用システム(ACDやCTI、ナレッジやCRMなど)が備わっていません。

兼務で行うスタッフの43%が、受電業務やサポート業務を効率化するためのシステムを使えていないと回答しています。

さらに、SNSやチャットツールなどコミュニケーション手段が電話に限らずが多様化しており、カスタマーサポートの受付チャネルに対しても多様化が求められる時代に突入しているため、より一層業務が複雑となり専門教育や専用システムの導入が求められている。

コミュニケーションチャネルの多様化に準備不十分

兼務で行うスタッフの半分(51%)は、ソーシャルメディア(SNS)、電子メール、ウェブチャット経由で問い合わせる顧客が増えていると言っています。しかし、複数の異なるチャネルにわたって対応することに自信があるというスタッフはわずか3分の1(34%)しかいません。

スタッフが最も困惑しているのはSNS経由の問合せです。60%がこのチャネルでさらにトレーニングを受けたいと言っています。

スタッフがトレーニングを受けたいチャンネルはどれですか? (全事業)
SNS60%
ウェブチャット57%
電話47%
メール43%

最も困るのは中小企業の従業員

同調査によると、最も困っているのは小企業(250-499人)のスタッフです。 なぜなら、より広い範囲の職務を遂行することが期待されているからです。一方、大企業の場合はより専門的な役割を担うことができます。

中小企業のスタッフの71%は、SNSを通じて効果的にコミュニケーションをとる方法についてさらに教わりたいと言っています。

中小企業の従業員(250~499名の従業員)が最もトレーニングを
希望するチャネルはどれですか?
SNS71%
ウェブチャット63%
電話57%
メール50%

また、多くの兼務で行うスタッフは、チャットボットや人工知能(AI)の開発がどのように彼らの役割を助けることができるかに興味を持っています。41%が、AIにシンプルで日常的な対応をさせたいと望んでいます。

イギリス8×8社の最高業務責任者のKevin Scott-Cowell氏(ケビン・スコットコーウェル氏)は、調査の結果について次のコメントしています。

人はコールセンターについて考えると、ダーッと並んでいるヘッドセットを装着するオペレーターが一日電話を受けることを想像する。しかしこの調査はこれが完全な誤解であることを確認しています。

兼務でカスタマーサポートの仕事をしている人の数は、コールセンターで働いている人より6倍以上も多い。この人たちはコールセンターで働いている人と同じレベルの対応を複数のチャンネルで行わなければならないが、ほとんどの場合、トレーニングを受けておらず、自信を持っていない。

専用システムと充分なトレーニングがあれば、2、3人の小さなチームからやや大きい部署まで支援することができる。

巨大な投資の必要はありませんが、クラウドベースのコンタクトセンター技術の登場により、間違いなく全体のカスタマーサービスを向上させるでしょう。


主なソース

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