チャットボットの簡単な作り方(コーディングなし!)

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TOMY Chatbot

以前の投稿で、チャットボットとは何か?あなたの会社に必要があるか?について書きました。

本稿は、チャットボットを試してみたいけどそれほど時間とお金をかけたくない人のために、簡単なチャットボットの作り方をご紹介します。

チャットボットを作ることは大変な仕事のようです。特に、開発スキルがない方にとって、無理ではないかと思ってしまいます。

しかし、ありがたいことに、ChatfuelMicrosoft Bot FrameworkSnatchBotのような無料プラットフォームがいくつかあります。

上記プラットフォームのおかげで、1時間でやや良いチャットボットを作成することができます。本稿では、SnatchBotを使ってSlack上で簡単なチャットボットを立ち上げる方法をご紹介します。

第一 目的を確立する

本稿を読まれる方は既にどんなチャットボットを作りたいか、アイディアがあるかもしれません。無ければ、チャットボットが解決できる簡単なニーズを想像してみてください。私のチャットボットは弊社の一般的なご質問を答えてくれるものを作成します。名前はアヤノです。

さて、SnatchBotに登録しましょう

SnatchNotの登録画面

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第二 チャットボットの接続

チャットボットが正しく動くため、対話できるチャネル(ウェブサイト、SMS、メール、アプリ等)と連携しなければなりません。アヤノちゃんはSlackに配備します。

管理画面のサイドバーにて、My Botsをクリックして、Create Botをクリックして下さい。

ボットの名前と簡単な説明を記入できます。

左のサイドバーにて、Channelsをクリックして下さい。

接続方法は使用するチャネルによりますが、用意されているチャネルは基本的にワンクリックで接続できます。私はSlackを押します。

Slackアカウントが必要です。

既にSlackにログインしていれば、承認ボタン(Authorize)を押すだけで接続完了です。

SnatchBotとSlackの接続

第三 チャットボットの作成

ここから楽しくなります。 ひとまず、チャットボットが何をできるか定義しましょう。アヤノちゃんは次の情報を教えてくれるとします。 弊社の…

  • 電話番号
  • 住所
  • 営業時間

チャットボットの立ち上げと実行の基本を理解するためですので、かなり簡単な例で充分です。

対話の作成

SnatchBotのボット作成画面(Build)にて、「Add an interaction」をクリックして「Bot Statement」を選択して下さい。

SnatchBotのボット作成画面

最初に設定することは挨拶の言葉です。フレンドリーなご挨拶の方が良いですね。そして、ユーザーにとってもらいたい行動に誘導する言葉を記入しましょう。

チャットボットの挨拶言葉の設定

次に、上記質問の回答とさようならメッセージ(対話を終了するため)を作成します。手順は挨拶メッセージと同様ですので略します。

第四 会話の接続

今までチャットボットの会話内容を用意しておきました。 しかし、対話を接続しない限り、アヤノちゃんに話しかけても当然反応してくれません。 簡単な if 条件式 then節 でどんな言葉に対してどんな回答を返却すれば良いかを定義します。

ユーザーの入力方法が二つあります。 1つ目は自由に入力してもらいます。2つ目は「Quick replies」(クイック返事)という機能を使って、選択肢から返事を選んでもらいます。

今回は不具合を防ぐため、クイック返事機能を使います。 対話の編集画面にて、一番下の「Quick replies」を選択して、選択肢を定義して下さい。 例えば、挨拶の言葉に対して、アヤノちゃんは下記3つの選択肢を提案します。

クイック返事機能の設定画面

電話番号 住所 営業時間 という返事から選べます。

自由入力を無効にしたい場合は「Disable text input function…」をチェックして下さい。

次に、同じ画面の上の方の「Connect this interaction to others by adding a connection」の右のプラスボタンを押して、if文の条件が表示されます。下記のように設定して下さい。

if文の設定画面

全てのクイック返事と全ての対話に対してif文を設定して下さい。

対話を終了させるため、さようならメッセージの設定もお忘れなく!

第五 接続のテスト

コードは一行も書かずにチャットボットを作成することができましたが、開発のように不具合が発生しないかを探すことがベストプラクティスです。動作確認テストは重要です。

管理画面の右上にて「TEST THIS BOT」ボタンを押して、会話の流れに問題がないかご確認ください。

SnatchBotの対話テスト画面

こちらは大丈夫そうですね。 なお、チャネルによってボットの動作が変わるかもしれませんので、チャットボットが配備されているチャネルで動作確認テストを必ず行いましょう。

Slackでチャットボットをテストします

Slackの場合、ユーザーのクイック返事が表示されません。

結論

これだけです!1時間も経たないでチャットボットを作成することができました。

もちろん、簡単な回答しかできないボットですが、チャットボット作成の概念と基本を理解できたかと思います。

ちなみに、SnatchBotはテキストの他に、リンク、画像や映像を返却することができます。また、メール送信ができるため、問合せフォームの代わりに使うことも可能です。

SnatchBotの強みはチャットボット作成だけではなく、Botstoreというストアです。 Botstoreで、様々なチャットボットのテンプレートをダウンロードして編集することができます。大変時間を節約することができます。

また、レポート機能のおかげで、週別のメッセージ数、ユーザーが困ったところやチャットボットがうまく返却できないときを確認することができます。

最後に、ブロードキャスト機能というのがあります。この機能のおかげで、一度に複数のユーザーにメッセージを送信することができます。リリースやお知らせの通知を送りたいときには大変便利な機能です。

無料ツールながら素晴らしいですが、ビジネスシーンでは機能が充実しておりません。対話しかできないし、オペレータと直接話すことができません。また、チャネル(Slack、Facebook MessengerまたはSkype)が必要です。

チャットボットは普及し始めたばっかりですが、これから企業と消費者との間のコミュニケーション手段を大きく変える市場だと思います。

チャットボットを検討されている企業様はひとまず無料で簡単にチャットボットを作成できるサービスをぜひご活用ください。


トップ画像:Tomy ChatBot